Special Contents #02

エネルギー輸送の先駆者として、
次代のロジスティクスデザインに挑む

取締役常務執行役員
経営企画室長 兼 人事部長 岡﨑 基太

01/03

エネルギーと生活必需品の供給で、
大きなプレゼンスを発揮

JOTは社会でどのような役割を担っているか教えてください

私どもJOTグループは、社会インフラを担う企業グループです。石油製品からLNG(液化天然ガス)などの高圧ガス、化成品、生鮮食料品ほかの貨物まで、人々の暮らしに欠かすことのできない製品の輸送事業を幅広く展開し、国内物流の一翼を担っています。わが国で石油の鉄道輸送を手がけている物流企業は実質的に当社のみであり、LNGの自動車(タンクローリー)輸送でも国内トップのシェアを有しています。化成品や生鮮食料品などの輸送においてもサービス品質の高さで知られています。
こうした存在感の大きさは、自然災害などが発生した際に、人々のライフラインを守らなければならないという社会的使命につながります。その一例として、東日本大震災の発生時には、石油関連施設の損壊や物流網の寸断により燃料不足が深刻化していた都市に対して、日本海側を経由した迂回輸送を迅速に行うことで、社会の負託に応えました。

現在のポジションが確立された背景を聞かせてください。

当社は、1946年、石油元売り会社の共同出資によって創設されて以降、請負輸送の確立、方面別直行列車の創設など、顧客である石油元売り各社のニーズにマッチした輸送形態を構築し、お客様の信頼を確かなものにしてきました。そしてその信用が次の顧客を呼び込む形で、化学メーカー、ガス会社、電力会社などとの取引が始まりました。
また、1984年には、時代に先駆けて自動車によるLNG輸送を開始するなど、新たな領域に積極的にチャレンジしていく進取の気風が他にはないノウハウの蓄積を生み、それが顧客数のさらなる増加につながって、現在へと至っています。
さらに言えば、優良顧客に恵まれているJOTグループは経営基盤が強固であり、財務上の安定感が、将来に向けた継続的な投資を可能にしています。

02/03

輸送の「質」にこだわり、
プラスαの価値を追求する組織

事業面での特色を教えてください。

JOTは、鉄道輸送を祖業としている経緯から鉄道会社との間に太いパイプを持つと同時に、自動車の実輸送を担う100%出資のグループ会社が複数あります。そのためエネルギー輸送を手がける企業の中でも、鉄道と自動車輸送の両モードを展開できるユニークな存在として知られています。また、そこに船舶も組み合わせた「複合一貫輸送」を行うことで、お客様のさまざまな物流ニーズに最適な輸送プランをご提案できるところが特色の一つとなっています。

そのほかに強みとなる特徴はありますか。

当社は輸送事業全般で、顧客ニーズに即した「質」の高さにこだわっています。質を追求する範囲は、「安全・確実な輸送品質」から「高品質な輸送容器・サービス」までのすべてにわたります。
第一に、エネルギーをはじめとする製品の輸送は社会的責任が重く、安全・安定輸送が至上命題であるため、自動車輸送に関しては、安全管理や運行管理が行き届く自社グループ輸送にこだわっています。
輸送容器に関しても、各種の輸送モードや製品に適したタンク車、コンテナなどを多数所有していますが、とりわけ化成品輸送においては、高品質でバリエーションに富むISOタンクコンテナを国内外で運用しています。輸送の難しいファインケミカルをはじめとした特殊品について、経験に培った幅広いノウハウを活かし、ベストな物流ソリューションをご提供できることがJOTならではの優位性となっています。鉄道を利用して生鮮食料品などの貨物を運ぶコンテナ輸送事業でも、保冷・保温性能などを備えたURコンテナを取り揃え、付加価値の高い輸送サービスでご好評いただいています。

03/03

持続可能な未来のために、
クリーンエネルギーを広く社会へ

これからの事業戦略について教えてください。

現在わが国では、低・脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進んでおり、今後はCO2排出量の少ないLNGや、CO2を排出しない水素などのクリーンエネルギー需要が増加すると考えられます。また、アジアを中心とした新興国の経済発展が続く中、海外向けの化成品輸送も引き続き伸長すると見込まれています。
JOTはこのような環境変化をさらなる事業拡大の好機と捉え、2030年度に国内No.1のエネルギー輸送会社へと飛躍するビジョンを打ち出しました。具体的には、当社が持つ輸送力を発揮してLNGの需要増加に的確に対応するとともに、拡大する化成品の海外輸送に注力していきます。こうした成長事業への投資を続けることで、石油製品輸送中心から、バランスのとれた事業ポートフォリオを構築してゆきます。さらに、現在進行中の「クリーンロジスティクスプロジェクト」を通じて、脱炭素社会の構築に貢献していく考えです。当社はエネルギー輸送の先駆者として、2015年からいち早く水素の輸送事業を展開してきましたが、当該プロジェクトではこの取り組みをもう一段引き上げて、液体水素やアンモニア、メチルシクロヘキサン(MCH)など、さまざまなクリーンエネルギー輸送の事業化に向けた調査・研究を進めていきます。

最後に学生の皆さんにメッセージをお願いします。

JOTはインフラに関わる輸送を幅広く手がけ、社会に大きく貢献している会社です。社員数約160名の少数精鋭の組織であるため、若くしてやりがいのある仕事に携われます。総勢1,500名ほどにのぼるグループ会社のメンバーとともに、幅広いお客様と関わることで、人としても大きく成長できます。刻々と変化する環境の下、「お客様のニーズにお応えするには、どのような輸送パターンや輸送容器が最適なのか」を考え、提案していく過程では、コンサルティング能力も養われます。産業や市民生活を支えるエネルギー輸送の領域で自身を磨き、社会の役に立ちたいという意欲をお持ちの皆さんは、ぜひ当社の門を叩いてください。

Special Contents #01

多品目の物資の輸送を担う
唯一無二のエキスパート集団であるJOT。
ここでは事業の強みや特徴を紹介します。